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手土産曲:Holland ElementとSolid Air突弦変異Ver.
えー、さて、今何時ですか?えーっとまだ大丈夫ですね。次にですね、まあ、えっと2019年の時にもですね、フェスティバル好きの人ではないけれども、私を見たさに遥々やって来てくださるお客様の為にお土産的、手土産的な楽曲を何か用意したのが、オランダ・エレメントですね。オランダ・エレメントに加えてまあ大体近いものとして、しばらくやっていなかったものでSolid Airの突弦変異バージョンをやらせて頂きました。
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Holland Elementの歌詞耳コピへの警告
で、オランダ・エレメントについては、オリジナル曲、オリジナル・バージョンに存在しないパートが存在しますね。そこに歌詞が付いているんですが、案の定ですね、これが公開される前に「俺はしってるぜ」みたいな感じで耳コピして上げている、動画サイトに上げている、耳コピだったかな、上げている人がいるんですね、まあそれについてはちょっとコメントは控えますけど、残念ながら歌詞が違っています。間違って伝わってしまうので、歌詞が違うという事は好ましくない。例えばめロディーが違っていたりとか、フレーズがちょっと違っていたりとかは曲全体の姿を破壊するものではないんですけれども、歌詞が間違っていると、それこそ世界が違うものになってしまうので、そして「そんな言葉を平沢が使うのか?ここで使うのか?」というような誤解を受けたくないので、できれば、そういう事がはっきりと分かるまで、止(や)めていただきたい、というまあ、最近止めていただきたい、「動画サイト止めていただきたいシリーズ」の一環でございます。
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ライブ中のノイズ・トラブルについて
それで、残念ながら、このオランダ・エレメントとそれからSolid Airの時に、いわゆるデストロイ・ギターと呼ばれている乱暴な振る舞いが用意されていたんですが、トラブルの為にそれが出来なかったという残念な事が有りました。で、このトラブルというのは、ギターの音、ギターから恐ろしいノイズのようなものが出っ放しになっていて、止まらなくなってしまったと。で、途中でローディーがステージに来て、何が原因なのか探ったんですが、分からないと。とにかくその恐ろしいノイズが出たままで、まず原因を探るのと、それからギターのせいかもしれないので、ギターを持ち変えるなどしながら、原因を探っているうちに、デストロイ・ギターのパートは行ってしまう、過ぎてしまうというような残念なことがありました。
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で、のちに、この原因を究明するために、松村君が、そのギター周りの、私のギター周りの機材を色々チェックしたんですが、私、結論が出る前にはたと気が付きました。原因は私です。これは何かと言いますと、ギターのエフェクターでもって色々な音を作って行く訳ですが、その音を作って行く際に、面倒くさいので既に仕込まれている音をスクラッチのようにして、ちょっといじって、あっちをこっちにして、こっちをこう入れ替えて、みたいな事にして作った音なんです。その時に不要なエフェクトを外し忘れていたんですよね。あのエフェクター、私が今使っているエッフェクターにはペダルがついていまして、それは普段ボリュームの役割をしています。音量を大きくしたり、小さくしたりと。で、これがライブ中に、音量を大きく、間違いなく大きくするぞという意味合いで踏み込んでしまったんですね。で、すっかり忘れていたんですが、このペダルは踏み込むことによってもう一段スイッチが入るようになっている。この時に、恐ろしい、音の増幅させるような、巨大な音にするようなエフェクターが、エフェクトが入るようになっていたんです。
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私、これを外し忘れておりまして、このスイッチが押されてドーンというデカい音がでてしまったというのが原因でありまして、これに私が気が付いて、松村さんに「すいません、私が悪うございました。実験で確かこの通りにやれば同じ事が再現できるので、確かめて下さい」と言って確かめてもらった結果、まさにその通りで、悪者は平沢であったということでございました。ということで、ここで皆さんにお詫びをしたいと思います。平沢、一生の不覚。悪い。
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Vintageヒラサワ:1981~1984頃のステージ・アクションを取り入れたアクションを披露する予定だった
(平沢、右手を挙げて謝るジェスチャーをする)
ということで、次からは大丈夫なはずです。
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さて、この時にレーザーハープが前から、横に照射するレーザーが消えることによって、私の姿が全部見えるようになるんですね。で、まあ、マイクスタンドも立っていない。ここで、どうしたら良いのかと。まあ普通に立って歌ってればいいんですけれども、それでも折角見えるのだから、何かちょっと独特な構えだとか、独特なアクションだとか、多少やってもいいんじゃないか、ということで、思いついたのがVintage平沢。昔、そうですね、1981年から1984年位の間によくやっていた動きの中から抜粋して、今やこの年齢になってこの姿になってもやってもおかしくないような動きをやってみようということになりまして、...
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なんでその年代かというとまず、
'79年デビューなんですが、'79年から'80年位のP-MODELの動きというのは、とにかくちょこちょこ動くと。まず、楽器の色とか服の色とか見てもらえば分かりますように、おもちゃ、玩具的で、プラモデル的で、あの時の動くという、とにかく動くんだという申し合わせがバンドの中で出来ていて、その時のコンセプトが、昔「ガキデカ」という漫画が有ったんですが、そのガキデカが行うポーズとか、それから「三馬鹿大将」というアメリカのくだらないテレビ番組があったんですけれども、この「三馬鹿大将」の動きとか、或いはモンティパイソンで出て来る変なバカ歩きのような、こういうものを混ぜた、要するに滑稽な動きが基本だったんですね。それで、P-MODELの初期の状態が好き、ファースト、セカンドもあって、
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Popourriで要するに、一気にスタイルが変わるんですね。ファンを整理すると。そういうことをやってしまったが為に、そういうものが好きだと或いは、そういうものを誤解するというようなファンが居て、まあ今と同じですよ、「平沢カワイイ」だのなんだの、そういうのと、そういう派手な動きをしてデレビに出たりするもんですから、通りすがりのリスナーというのが、にわかリスナーというのが来て、それが我々をテレビタレントと同列に見る。というような鬱陶しさを整理するために、どんでん返しのようなダークなアルバムを出した訳ですが、その時に、そのPopourriというアルバム以降、全くちょっと重苦しくなっていくんですけど、その中でメンバーチェンジが行われて菊池達也というベーシストが入って来る。彼の動きが非常にエレガントで、かっこよかったものですから、それを見て、私も、じゃあ彼と同じような動きに、彼の動きのコンセプトを真似してみようと、そして服装も今までとはちょっと違う、黒い色を取り入れて、楽器の色も全部、今まで赤だのピンクだの青だの黄色だの、だったものを全部止めにして、ダークなトーンにして、その中で、私も、最も、洗練、まあ菊池を見るにつけて、洗練されている動きだな、とそれに合わせて横で私がその路線で動いていたというアクションを、動きをもう一度取り入れて、一部を取り入れてみようということで、'81年から'84年頃の動画をちょっと見直して「あああ、こうだった、こうだった」というものをおさらいしながら、脱出系亞種音で披露しようと計画していた訳ですが、そのために回転する平沢とか、色々あった訳ですけれども、その前振りを見せておいてデストロイに行くという仕込んだ飛び道具が発車できなかったという無念さが有ります。まあ、そのうち、その文脈でアクションを作っていくということはこの先もあると思いますので、まだ新しいレーザーハープには新しい平沢の動きあり、とこのように思って、動きあるいはポーズというものが有ると思っておいてください。
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今後はエフェクター・ペダルをなくしたい
いまギターのトラブルについてお話ししました。そしてこのギターのトラブルを無くす為にどうしようかということをずっと考えていまして、例えば、今非常に大きくて重たいエフェクターを使ってるんですんね。で、大きくて重たいのは足で乱暴に扱っても動いたりせず、また、ペダルとペダルの間が結構空いているので、踏み間違いというのが無いと。ただしこれは大きくて扱いにくいので、じゃあ一度コンパクトにしてみようと、コンパクトにしてみたら、今度はペダルとペダルの間が狭くて踏み間違いがある、ということがあって、そもそも足で、大事な足に大事な任務を任せながら歌ったりするのは間違いの元なんじゃないかと思う。ギター弾きながら歌いながら足で何かを操作する、しながら、こっちではレーザーのセンサーがどう動いているかチラチラ見ながら、みたいな、情報処理の数が多すぎる、ステージで。一体その中で歌が占めている割合はどれ程なんだみたいなぐらいに、実はヘッドフォンの中からも色々な情報が流れてきて、まあ色々情報処理する訳です。これを少しでも
軽減する為に、全部足元のエフェクターを廃止してしまって、全てコンピュータに任せて、オケと同期させて、スイッチングもコンピュータにやらせると。私はもう何も考えずにただギターを弾くだけ。そうしている間に音色は自動で変わっていくというようなシステムに変えようと思っているのですが、これは、トラブったり暴走したりすると恐ろしい事になる。これをそもそも回避する為にどのようなシステムが有り得るかということを、ちょっと時間をかけて考えたいなと思います。
[57:54]
本日の背景の動画は先日の沖縄・会人会議で撮影。監督は松(Ssho)
という事で、今日は色々ございました。散々ございました。これバックで映っている映像ですね、あれです。先日の会人会議の部分で撮ったもので、これの映像の撮影の監督は会人の松(SSHO)ですね。そして、私達は、私はその言いなりで[指示を]聞いております。これがこの、あ、そうだ。
[58:33]
(平沢、手を叩く)
フジロックでの背景画像は中井敏文氏が作成
大事なことを忘れてるぞ。あれだ、映像。脱出系亞種...今日、メチャクチャですね。まあいいか。脱出系亞種のステージの後ろに流れていた映像、非常にかっこいいのは、中井さん、私のデザイナーの中井さんの作品です。で、私はよくステージで上映されている、いわゆるVJの方々がやる映像っていうのは、大体が同じでマテリアルが違っていてもコンセプトが大体同じで、皆同じっていうのがちょっと興ざめする。で、そうなってくると、今度は何かで脅してやろう流れになってきて、つまり、音楽が内容が皆同じになっていくと、テクニックで脅している、それから何発爆発させようか、とか、どれだけの出数を増やしたドラミングにするかっていう方向で一つの採用を設けようとする傾向になるが嫌なので、全く違う、要するにグラフィックデザイナーの感覚で、バックの映像をデザインしてもらおう、ということで、中井さんにお願いして、あのような非常にカッコイイ、モノクロで平面的でしかも、平面的でありながら、かつ、時には奥行きがあるという素晴らしい映像が出来上がった訳でございます。これには、毎回、「ほう、そう来るか」という新鮮さを感じておりまして、非常に良いと私は思っております。
[1:00:41]
中井敏文氏が出がけるコンサート・グッズ等
ということで、私は、中井さんのデザインが非常に気に入っていまして、身の回りの物は中井さんのデザインを施して持って歩いたりとかしたいんですけれども、例えば、昨日ツイッターでお話しした、バッグですね、あそこにはその中井さんデザインのステッカーが貼ってあるんですが、昨日貰ったやつに実は貼りたいんでけど、そしたらすぐバレますよね。あれを持って、HIRASAWAステッカーが貼ってあったら、「平沢だ」って大きな声で言いながら、歩いているようなもので、でもやっぱり私、トランクとかそういうものに全部貼ってあって、実は携帯の待ち受けにも中井さんデザインを利用していたりとか、このライフロガーにも中井さんデザインをあしらってみたりとか、しているんですけれども、中々、物販とか非常によろしくて、私も欲しいんだけど、それ、買ってどこで使うんだっていう、家の中だけでしか使えないという残念さが有ります。全然脱出系亞種音とは関係ございませんが、そのような、私が好むデザインによって私の機材やステージがデザインされているという喜びについてお話し致しました。
ということで、本日、トラブルもまぜまして、約1時間、ん?違うか?8時からやってトラブルが、うんそうだな。大体1時間経ちました。今日は、毎回色々トラブルはあるんですが、今日は、こちら側の、スタジオ側の人災のようなものが重なりまして、大変お見苦しい点をお詫びいたします。
ということで、本日のBack Space Pass 脱出系亞種音編は終わりにしたいと思います。長々ありがとうございました。ごきげんよう。
End.