http://www.nicovideo.jp/watch/sm730614
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平沢進「家族で車でドライブしてたんですよ。春で、たぶん、Unesco村かなんかに行く途中だったと思うんだけど、街道沿いに桜がわーっと咲いていて綺麗で、桜が道路に散っている様な状態でね。そこをずっと走って行ったら、何か人集りがしてて、何だろうな?と思ったら、母親が『見るな』って言うんですよ。『見ちゃ駄目だ』って。見ちゃ駄目だって言われたから見たんだけど、そしたらね、道路がパーッとピンク色に染まってるの。それはね、最初、桜の花弁かと思ったら、内臓なのね。よく見ると」
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戸川純「それは、あの、桜色みたいな内臓、というか」
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平沢進「内臓、て言うか肉片、て言うか」
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戸川純「肉片...じゃあ、あの割と新しめの...」
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平沢進「新しめの。それがね、血の赤と、桜のピンクと、内臓のピンクで、女の人が車に轢かれて倒れてる。それを見た時にね、汚いと思わなかったの。多分その、色んな偶然のシチュエーシ.ョンが、助けて」
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戸川純「桜とか」
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平沢進「桜と、女性の死みたいなのが出来すぎた演出をしてたからだと思うんだけと、凄く綺麗に見えちゃったのね」
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戸川純「お話を聞いてると、浮かぶ物が何だか、不浄の物というより、聖なる感じがしますね。神秘的で、清い感じがしますね。潔い様な、清さって言いますかね」
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平沢進「そこにあるのは内臓や肉片や血なんだけれども、昔、僕が知っていた女性の血は汚い物だったんだけれど、そこに在る物は凄く綺麗な物でね、確かに死体なんだけれども、死体を見た時の嫌な感じというのは無くて、それから1か月位の間ほんと夢心地だったの」
戸川純「そうですか」
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平沢進「そこに至って、今までの『汚い者』から『綺麗な者』、それから、そこで、艶めかしい唾から始まって、死んでる女の人の、汚いはずの女の人の終わり方、の綺麗さ、みたいなものが。『ああ、女の人は、これが全部一つの中にがばっと詰まっているもんなんだな』っと思った訳ですよ」
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戸川純「はあー...」
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平沢進「それ以来。夢心地」
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戸川純「フフフ...」
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平沢進「一か月位」
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戸川純「ああ、そうですかー...」
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平沢進「僕はね、ツアー中にね、また誉めてしまいますけど、カセットを持って、熊本か何処かかな、散歩しながら、熊本城かな、で聴いてたんですよ。そしたらね、またね、肉片の綺麗な物が、ピーーンと、頭ん中に来て、それが、『私は待っているわ』なんですよ」
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戸川純「また、あの、女ならではの」
平沢進「そうそうそう」
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戸川純「そうですか、あれはね、『さよならをおしえて』のカバーですよね。男の人は嫌だろうな、と思いながらね、歌ってたんですけどね。実際に聴くと、怖いって言う人が居るんですよね。シングル切った時に、プロモーションしてて、カメラマンの人がね、あんまり喋ってくれなくて、ぼそぼそって、『聞いたけど、怖い』って。で、『いやあ、人は嫌だろうな、こんなの』とおもったんですよ。女の人はね、『気持ちがいい』って言うんですよ。いろいろ、整備中でね、賛否両論的なものがあってはいけないんですけど、そういうものと繋がって聴いていただいたと」
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平沢進「僕はたまたまラッキーにも、唾だけで留まらなかったから、出来すぎたシチュエーションのね、に出会えることが出来たから。本当にね、『女』っていうね、表現の中にはね、『刺し殺してやる』とかさ、『好きな人を絞め殺してやる』とかさ、そういうのも含まれるんだけど、そういうのをね、あんまり怖いと思わない」
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(参考)
「さよならを おしえて」日本語歌詞:戸川純 作曲:A. Gold
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私は待っているわ 愛してくれるまで
貴方をまっているわ さようなら
いつでも待っているわ 愛してくれるまで
貴方を待っているわ さようなら
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例え大参事が起きて 濁流が走り
町中が廃墟と化しても
シェルターの重い扉を開けて
貴方の名前を呼ぶ私
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私は待っているわ 愛してくれるまで
貴方を待っているわ さようなら さようなら
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例え私が事故で死んでも
ほっとしちゃいけない
幽霊になって戻って来るわ
貴方の名前を呼ぶ為に
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私は待っているわ 愛してくれるまで
貴方を待っているわ さようなら さようなら...
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https://www.youtube.com/watch?v=mnlft9kLe_4
1. 無題